小さな流行を作った
オフィスでは靴底を張り替える人が増えました。
俺のはいているレッドウイング社のブーツは、何度かソールを張り替えたり、踵のすり減りを補修しているのです。
それを知った同僚たちが、自分も気に入った靴を長くはきたいと思うようになったのです。とは言うものの、彼らの靴はスニーカーで本来は靴底をそっくり交換するのは難しいのです。
調べてみると、女性スタッフのスニーカーはパトリックで、交換が可能。男性スタッフのスニーカーはニューバランスのイギリス製で、この会社のものでは珍しく交換可能なのでした。
どちらも定価は2万円以上するものの、長年の使用に耐えてきたので、決して高い買い物ではないようです。
靴底の交換費用は8000円ほど。二人は交換を決めました。
8000円あれば結構いいスニーカーが買えると思うのですが、それでも交換するのは、気に入ったものを長く使いたいという気持ちと、なかなか足に合う靴が無いからだそうです。
女性スタッフのパトリックが修理から戻ってきたので、彼女は自慢そうに俺に見せてきました。靴の中敷きもきれいに交換されており、革製の本体も傷が見えないように手入れされていました。ほとんど新品といってもいい仕上がりでした。
すりきれて捨てられるはずだったスニーカーが、修理をへて大切にはかれるのを見るとなんだか嬉しくなります。
小さな流行ですが、なかなかすてきな流行です。